先日友人と飲みに行った。彼女は、常識があると思えない女性上司に対するぼやき。そしてわたしは、同僚に対する愚痴。それらを肴に飲む妙齢のオンナ二人。生放送でお届けします。
「いくら可愛がってくれて、評価はしてくれる人だけど、あの他者に対するぶしつけな物言いや態度見てると、もう嫌悪通り越して哀れやわ」
「でも会社サイドも何にも言わへんのはおかしいなあ」
「諦めてるみたいやで。なんかあればきゃんきゃん騒ぎ立てるし、くねくねお願いするし」
「くねくね?」
「うん、くねくね。あの歳でやで。笑うわ」
「まあ、歳は関係ないけど、くねくねは厭やなあ」
「今必要ないものでも、子供が親にねだるみたいに、買ってー買ってーって言うねんで。なんか恥ずかしいわ」
「買ってくれる会社もすごいわなあ」
「まあ、実績はあるからさ、何も知らないおじさん達は、そんなソフト要るんかなあ、今のパソコンでは無理なんかなあと思いつつも折れてしまうねん」
「阿呆やな」
「うん、阿呆やねん。それで、その仕事するのはわたしやで。投資されたらそれなりの仕事せなあかんのに、あの人はそんな気もないし。買ってくれた時点でもう良いねん、彼女は」
「もう辞めたいのは通り過ぎたん?」
「この年齢じゃそうそうやりたい仕事ないし、まあ仕事内容は興味あることやから、勉強だけして年内には考えてるねん。人の容姿とか平気でけなすし、ちょっとした失敗も延々言い続けるしな、人前で。その感性疑るわ」
「感性なあ…」
「すごいで、ほんま。ほら、あそこの剥げがそうやん!とか言うねんで。こっちの心臓が縮むわ。そんなん、自分の意志でどうにもできないところを、大声でなんで言えるねん!わたしが、他のチームと仲良くしたら、根掘り葉掘り聞いてくるし。なんかプチストーカー状態やで。こわっ!」
「まじ怖いなあ。でもほらそれって、お気に入りの子を取られたら困ると思ってそんなふうに言うんとちゃうの?」
「だって、親世代のひとやで?」
「でも、ほら、今までの人には貴方みたいなタイプいなかったわって喜ばれてたんやろ?だから、仲良くしたいねんて、きっと」
「まあな、仕事に対しては、もちろんきちんとせなあかんと思っているし、覚えるならちゃんと覚えたいから質問もするやん?けどそれ普通やろ?」
「わたしもどちらかと言ったらそのくちやけど、やる気ない人多いからちゃうの?」
「うーん…。前の会社でもそんなひとらもおったからなあ。けど、あの人と仲良くできひんわ。きゃんきゃんきゃんきゃんうるさいし、言ったことに責任もたへんし、デリカシーないし…」
「わはははは。わたしと同じやがな。きゃんきゃん吠えまくるし。さすがに剥げ!とかは言わへんけど。ぼけっ!は良く言ってるし」
「君の吠えるとはまた種類がちゃうねん、あの人は!もう、ヒステリーやで?堪らへんわ。もう脳の病気と思って諦めてるけどな…」
「脳の病気…?」
「そう、脳の病気。だってな、剥げとかデブとか、なんで言ったらあかんの?見たいなこと言うし、それって人として本来ちゃんと備わっているはずのもんやん。それがわからへんねん。だから説明のしようがないし、でもそれに付きあってたら自分が疲れておかしくなるやん。だからもう病気やと思うことにしてるねん。脳の!」
「そうやなあ、そう思えたら楽やねんけどなあ」
「君もそう思ったほうがいいで、例の同僚に。綺麗とか汚いとかそんな感情は自分が基準やねん。君の基準に彼女があわへんからって、相手におかしい!変われって言っても無理やもん。あちらはあちらの基準で生きてるねんから」
「うっーーーーー。けどな、けどな!?」
「いや、判るよ?でも生まれ育った環境がちゃうねんし。丸く掃くな、角もちゃんと掃けって言っても直ぐ戻るで。そうやって生きてきてるねんから」
「……」
「なにかやっぱり期待してんねんで、彼女に」
「そうなんかなあ」
「そうやで。わたし前の課長に言われたで。十人に十人の価値観。みんなそれを信じて生きているし、だから法を犯すような事以外については否定できないって。中には本当におかしいこと言う人もいるで。もう十年以上も働いてるのに、そんなこと聞いてないから僕はしません!とか言い出す輩もいるし。聞いた聞いてないじゃなくて、仕事の流れ的にそれは常識や!って事でも、そうしない、できない人もおるし、パンフレットの入力にしてもな、手書きの文字が汚くて判読不能やったみたいやねんけど、半日考え続ける人とかな。お前は阿呆か!って言いたくなるわ。ちょっと聞きに行けば良いことやん!でも、それができないねんて」
「嘘?そんな人いるの?」
「おるねんて。それでその後、仕事押すやん?でも定時には帰りまーす!みたいな?」
「病気やな」
「せやろ?なんでそんなに常識ないねん!と怒ったりすると自分が辛いやん。なんで普通に働けへんねん!それで給料貰ってるんやろとか、思うと相手殺したくなるやん。だから、病気や思うのが楽やねん。あの人病気やからおかしいねんって思って諦めるのが、自分のためやねん」
「脳の病気か…。そう思うようにするわ」
「そうそう!言っても動かないときは、この人、病気で可哀相な人やからって思って何度でも言ったり!嫌みなほど(爆笑)」
「ぶっ!でもきっとわたしは性格悪いから毎回思うねんで。なんで同じ年月生きてきてこんなんが判らんのじゃーーーっぼけっーーーー!ってさ」
「それじゃあ、また振りだしやんかー(笑)」
「だって人間ができてないねん、君みたいにーーー(笑)」
友人も脳の病気とは、良く言ったものだと思う。
しかし、実際、本当に病気と診断されて苦しんでいる方もいるのだから、そんな風に思ったらいけないのだろうが、やはり、あまりにも違いすぎる感性や価値観に振り回されるくらいなら、あの人は脳の病気でおかしいのだと思うほうが、諦めが付くし平和に過ごせるかもしれない。わたしの場合。