着回しというセンスあるチャーミングな言葉の意味をあまり理解できないお馬鹿なわたしは、いつも面白さとか、見た目のインパクトとかで洋服を選んでしまう。
もう、十分すぎるほど落ち着いて樽に寝かせて10年20年と言う風格さえ持ってもいいお年頃だ。なのに、どうしてこうもまあ、合わせにくい服ばかり選んでしまうのだろう。
不思議な柄や、デザインのおかしさに、嬉しがってお買い上げしたのは良いが、その後、それに合わすためのお洋服、そして時には、靴まで買いに走らないといけないという不経済さ。
その上、インパクトがあるので、同じ人と会う場合、何回も着て行く事は出来ない。
「あら?至素音さんったら毎回同じ格好ね」
くすくすと、笑われる上に、貧乏と思われてしまうのだ。その通りだ。
お気に入りの服は着る頻度が高いわたしなのだが、そのように思われるのはちょっと嫌。いや、かなり嫌。
じゃあ、もうちょっとコーディネートしやすい服を選んだらどうよ?
確かに。その通り、耳が痛い。
でもね、三白眼・能面顔のわたしが、シンプルでシックな黒とかグレートか紺色とか白とか、つまり着回ししやすいであろう服を着ると、見えなくなっちゃうのよ。地味すぎて、存在が。顔が。
強面な印象だけ残して、それ以外のものが何も残らないから、ついつい、あの面白い服を着ていた人!とか、ああ、あの激しい柄のシャツの人!とか何らかの印象を残す手段として、この不経済極まりない出立ちなのです。ええ、多分。きっと。
コーディネートが下手くそな言い訳でじゃないの?と言う、手厳しい突っ込みは、思っていても口に出してはいけません。
そして「コーディネートはこうでねえと!」などと面白くもない駄洒落も口にしてはいけません。